今の時代、すべての職業に資格があるといっても過言ではないほどさまざまな資格で溢れています。
一見、資格とは無関係に思われる農家の仕事でも、農家資格がなければ農業として生計をたてることは許されておらず、また近年の農業には、耕運機やトラクターなどの重機の運転は欠かせません。
当然、これらの重機を動かすには通常の運転免許の他に重機の免許も必要となりますし、日本農業技術検定などと農業に特化した民間資格もあります。
しかし、人の命を危険にさらす可能性のある車の運転免許や重機などの資格はともかく、本当に農家資格や日本農業技術検定などのような資格が必要でしょうか。
とにかく、日本は現在、資格の大安売りをしているかのようで、NPO法人や特殊財団法人などの非営利団体と呼ばれる組織が主催する資格が無数に存在し、中にはあきらかに重複していると思われる資格がたくさんあります。しかし、これらの非営利団体は、営利を目的としていない為、国の補助金がなくては運営が成り立ちません。
その為、一見公益性が高いと思われるこれらの団体は、公益性により国民の安全や生活の向上を目的としているのではなく、単なる官僚たちの天下り先の巣と化しているところが多くあります。
現在の日本の職業の中で、その職業に特化した知識や技術の向上を図るには、資格の整備ではなく、その仕事を長く続けて経験を積むことで技術の向上を図るほうが、より私達の生活は安全で豊かな社会となるでしょう。
今は、高齢化により国の予算が圧迫しています。無駄な公益法人の排除なくして、この国の豊かさは取り戻せないと思います。